MobilExSchool

未来をひらくための学校

光化学スモッグの正体は…

約 3 分

暑い日が続き連日のように光化学スモッグ警報が発表されています。
身近な公害といっても過言ではない光化学スモッグについて歴史視点でコラムを書いてみました。第32弾。

【今日は何の日】 「光化学スモッグの正体は…」

1970年7月18日、東京都杉並区で日本初の光化学スモッグが発生しました。

この日、環状七号線の近くにある学校の校庭で体育の授業中に、目に対する刺激や喉の痛みを訴える事件が起こりました。のちに東京都が調査した結果、光化学オキシダントが原因であると特定されました。1960年代にも光化学オキシダントが原因と考えられる被害はあったようですが、光化学スモッグが公に注目されるきっかけになったのは杉並区の事例なのです。

梅雨の時期でも気温が高くなると光化学スモッグ注意報が出ます。この注意報を発表する基準は全国同一ですが、予報や警報などは都道府県によって基準が異なります。そもそも光化学スモッグとは何かというと、光化学オキシダントという気体を主な成分としてスモッグのことをいいます。体に害を与える大気汚染です。

工場や自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物や炭化水素が、日光に含まれる紫外線にあたり光化学反応を起こして、オゾンが発生するのです。このオゾンは光化学オキシダントを構成する物資です。日光によって反応するので、夏の暑い日の昼間、特に日差しが強く風の弱い日に発生しやすいといわれています。

日本での発生件数は1970年代をピークに減少していますが、新たなヒートアイランド現象などによって、その数はなかなか減りません。人に対する影響は目や喉などよく知られていますが、植物にも悪い影響を与えます。葉に斑点があらわれたり、ひどい場合には枯れ落ちることもあります。

良い意味ではありませんが、とても身近にある光化学スモッグ。でもこれは生物に害を与える公害なのです。光化学スモッグ発生が確認されている1960年代からピークになった1970年代といえば、日本は高度経済成長まっただなかの時代です。そこには光と闇があります。1956年には水俣病が公式発見され、1968年にはイタイイタイ病が政府に認定された公害病第1号になっています。光化学スモッグもこれらの重大な公害と同じもので、現代にも残っている公害なのです。

現代の日本はとても環境意識の高い国ですが、それも過去の公害への反省があったからこそ。
(日付は新暦です)

【今日の名言】 “動物がいち早く公害を感じ、そのあとで人間が気付いた”

作家の戸川幸夫氏の言葉。公害の最初の被害者は動植物なのです。

【今日のことわざ】 “災害は忘れた頃にやってくる”

意味は 「災害は人々がその恐ろしさを忘れた頃に、また起こるものである」 ということ。
光化学スモッグもなくなれば良いですが、高度経済成長期の重大公害のことを思い出すきっかけになるものでもあります。

About The Author

ウルサイ株式会社,モバイルスクール学校長,歴使家多賀 健太郎
「おもしろきこともなき世をおもしろく」と病床の幕末の志士が読みました。
看病していた尼が「すみなすものは心なりけり」と返しました。
ぼくはあなたにとってそんな尼のような人間になりたいと思っています。
すべては自分のこころしだい。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。