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あなたは過去にこだわりますか?

約 3 分

先日の7月9日に日本で17件目の世界遺産として沖ノ島の登録が決定しておおいに盛り上がりました。そこで世界遺産のルーツに触れてみたら、すべてのもののルーツが気になりだしました。過去を気にしたっていいじゃない。だって人間だもの。歴史コラム第35弾です。

【今日は何の日】 「あなたは過去にこだわりますか?」

1970年7月21日、エジプトのナイル川上流のアスワン地区に巨大なダムが完成しました。現在では観光地にもなっているアスワン・ハイ・ダムです。
当時のエジプトのナセル大統領が国家事業として建設を計画し、その目的はナイル川の氾濫防止と灌漑用水の確保でした。
ダムの完成によって毎年の氾濫がおさまっただけではなく、水力発電や砂漠の緑化もおこなわれ、大統領の名前にちなんでナセル湖と名付けられた巨大な貯水池は、豊富な水産資源をもたらしています。

いいことばかりのアスワン・ハイ・ダム。しかし建設計画が発表された当初から、さまざまな問題に直面します。資金面や技術面はもちろん、それ以外にダム貯水池によって水没する地域に大きな問題が2つありました。
1つは水没地域に住む約9万人の住民の移住。2つめは古代エジプトの遺跡群の保護問題。
とくに2つめは、そのまま水没させることを計画していたエジプト政府を世界中の世論が非難しました。

そこで立ち上がったのが国際連合教育科学文化機関、通称ユネスコです。ユネスコの援助で巨額の費用をかけて古代エジプトの遺跡群はナセル湖の湖畔に移築されました。
この遺跡群の代表が有名なアブ・シンベル神殿。これらをどうやって水没地域から高台へと移築したかというと、神殿全体を1000個以上のブロックに切り分けて運び、高台で組み立てました。
費やした時間はおよそ4年、費用は約290億円。そして支援した国は60カ国。

この大規模な移設工事がきっかけとなって、国際的な組織運営によって、歴史的に価値のある遺跡や建築物などを開発から守ろう、という機運が生まれ、ユネスコの総会で「世界遺産条約」が満場一致で成立したのです。
当初は条約を締結した国の数は20カ国。2014年には世界遺産の登録件数は1,000件を超えて、条約を締結した国の数は、現在193カ国にのぼります。

日常では過去を省みない人も多くいるとは思いますが、それでも私たちが今ここに存在している理由、知りたくありませんか?
歴史は史料にもとづいてそれを知るための学問。考古学は文字にすら残っていない先人たちの痕跡をたどる学問。どちらも変えることのできない過去の出来事ですが、新しい事実が発見され続け、自分たちのルーツがわかっていく。
いま存在している全てのものにスタート地点があるのです。
(日付は新暦)

【今日の名言】 “毎日の積み重ねが歴史を作る。君たちが歩む道は、過去の遺産からの旅立ちだ”

マイケル・ジャクソンの言葉。
歴史からルーツを知ることができる。でも歴史に捉われる必要はない。

【今日のことわざ】 “昨日は今日の昔”

意味は 「昨日は僅か一日前であっても、もはや過ぎ去った過去である」 ということ。
月日が経つのはとてもはやい。

About The Author

ウルサイ株式会社,モバイルスクール学校長,歴使家多賀 健太郎
「おもしろきこともなき世をおもしろく」と病床の幕末の志士が読みました。
看病していた尼が「すみなすものは心なりけり」と返しました。
ぼくはあなたにとってそんな尼のような人間になりたいと思っています。
すべては自分のこころしだい。

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