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イギリスってどこの国?

約 4 分

現在のイギリスをイギリスと呼ぶのは日本だけです。ではイギリスって何なの?
そんなイギリスについて、そして呼び名について考える歴史コラム第37弾です。

【今日は何の日】 「イギリスってどこの国?」

1603年7月25日、スコットランド王ジェームズ6世がイングランド王ジェームス1世として王冠をうけて即位しました。これ以降、イングランドとスコットランドは国王が同一の同君連合の王国になります。

同君連合はどうして起こったのか。同君連合自体は中世ヨーロッパの世界ではそれほど珍しいことではありませんでした。直前のイングランド王国の君主はエリザベス1世。処女王の名の通り、結婚しなかったため跡を継ぐ実子がいないだけではなく、最終的には後継者を指名せずに死去してしまいました。側近たちが王位継承権のあるスコットランド国王ジェームズ6世と交渉の末、イングランド国王ジェームズ1世として即位させたのです。

その後100年近くたった1707年に、イングランド王国とスコットランド王国は両国の議会を統一して正式に1つの王国になりました。それがグレートブリテン王国です。グレートブリテンというのは島の名前です。いままではイングランド王国とスコットランド王国の2つの国が島を支配していましたが、グレートブリテン王国は島全体を支配した最初の王国になったのです。

17世紀後半にはアイルランド島のアイルランド王国もイングランドに実効支配されましたが、このときは合同しませんでした。しかし、間もなくアメリカ合衆国が独立し、大陸ではフランス革命がおこると、アイルランド王国でもイングランドに対する独立を目指した反乱がおこりました。これを鎮圧したイングランドは再発防止のためにアイルランド王国も合同したのです。1801年、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国の誕生です。

しかし20世紀にはいると、アイルランド独立運動は激しくなり、武装蜂起からはじまり独立戦争がおこりました。その結果、1922年にはアイルランド島の南部の地域が自治領として分離。1927年、連合王国は「グレートブリテン島および北アイルランド連合王国」として成立しました。これが現在のイギリスの正式な国号です。長いですね。

それでは「イギリス」という呼称は何か。
これは戦国時代から江戸時代にかけて、イングランドのことをポルトガル人が「Ingles」と、オランダ人が「Engelsch」と呼んでいたのを聞いて、日本人はエゲレスやイギリスと呼ぶようになりました。漢字は「英吉利」。現在も使っている英国はこれが由来なのです。

イギリスの呼称は由来から考えるとイングランド王国のみを指すので、現在の正式国号の一部しか指していないことになるのです。とはいってもすでに慣習として「イギリス=グレートブリテン島および北アイルランド連合王国」が成立していて、決して間違いではないのですが、ぜひとも知っておきたいことだと思います。
英語ではU.K.と呼ばれます。ユナイテッド・キングダム。正式にはそのあとに「of Great Britain and Northern Ireland」がつきます。これはほとんどの場合に省略されていますが、肝心の連合王国として意味は伝わっているのです。

国やモノや人についての呼称にはしっかりと意味があります。由来を調べてみると日常では意識しない事実が見えてきます。
それが他国や他者の理解につながると思います。
(日付は新暦)

【今日の名言】 “目標無き人間は、舵の無い船のようなものだ”

イギリスの歴史家トーマス・カーライルの言葉。

【今日のことわざ】 “学問なき経験は、経験なき学問に勝る”

イギリスのことわざ。

About The Author

ウルサイ株式会社,モバイルスクール学校長,歴使家多賀 健太郎
「おもしろきこともなき世をおもしろく」と病床の幕末の志士が読みました。
看病していた尼が「すみなすものは心なりけり」と返しました。
ぼくはあなたにとってそんな尼のような人間になりたいと思っています。
すべては自分のこころしだい。

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